厚生労働省が行った｢自覚症状のある体の悩み｣という調査によれば、｢腰痛｣は男性は第1位、女性は第2位にランクインしています。このデータから分かるように、男女ともに腰痛に悩んでいる人が多いようです。ほとんどの人は、腰痛の発生源、腰痛の理由が特定されていないため、適切な診断、治療を受けずに長年経過しています。腰痛の痛みの発生パターンは、多くの場合決まっていますから、発生源を把握することこそが適切な治療の第一歩です。痛みの原因でよく知られているのは、ヘルニア･狭窄症です。ヘルニアや狭窄症が進行すると、かなり痛みが強くなるため治療が必要です。ヘルニアや狭窄症まで行かない人、軽度の腰痛、痛みはあるけれど日常生活に差し支えない、あるいは痛みはあるけれどレントレンゲンでは大きな異常が見られないという人が大半といえます。また、腰痛を抱える人の約85％はヘルニアや狭窄症が原因とも考えられているようです。ほかには、脊柱起立筋付着障害というものもあり、腰の左右の出っ張った部分にある腸骨稜(ちょうこつりょう)と背中の筋肉がくっついた部分に痛みが生じます。また、椎間関節の炎症や傷も腰痛の原因になりやすいです。腰椎と腰椎の骨1つひとつをつないでいるのが椎間関節ですが、椎間関節が炎症を起こしたり、傷ができたりすると椎間関節性腰痛になります。加えて、仙腸関節もあり、腸骨稜のお尻側の部分です。慢性的な痛みに悩んでいる人は、痛みを感じる部分はどこか、考えてみましょう。痛みの発生源がどこかで治療法は変わってきます。